ピアノ演奏するときの感情表現とは

先日、さかいピアノ教室(松本市)《大人のピアノコース》のレッスン時に、生徒のYさんより質問をいただきました。

『感情を乗せて表現するってどういうことですか?』

Yさんは子供の時からピアノのレッスンを継続し(当ピアノ教室にご入会してからは1年9ヶ月が経過しました。)、成人して家庭をお持ちになりお仕事に子育てにお忙しい現在も、年に2〜3回舞台で演奏する機会を作り精力的に活動されています。

Yさんのそんなお姿には、本当に凄いな〜といつも感心させられています。

クラシックの超絶技巧の曲に次々と挑戦して演奏していらっしゃるYさんです。

楽譜を譜読みして演奏することはお手のもの…しかし、表現を深めていくことには苦手意識があり、“感情を乗せて表現する”ということに疑問をお持ちの様子です。

『感情を乗せて表現するってどういうことですか?』

改めてYさんよりこの質問を投げかけられて…

考えてみました。

 

“感情”とは、喜び、悲しみ、怒り、諦め、驚き、嫌悪、恐怖など…人が抱く気持ちのことです。

ピアノ曲を作った作曲家も、これらの感情を持つ私たちと同じ人間です。

作曲家が求める表現(感情表現を含む)等の想いが、1曲1曲それぞれに込められているはずです。

ピアノ曲には、調性、拍子、リズム、アーティキュレーション、音符の重なりやフレーズの内容、楽曲構成、等のヒントとなる情報がみっちりと詰まっているものです。

また、その曲が作曲された時代背景やその当時の音楽様式、作曲者の生い立ちや性格などの情報からも演奏するための表現方法のヒントは得られるでしょう。

まずは、それらの情報から読み解き、演奏者自身が“想像力”を駆使して作曲家の求める表現を追究していくことです。

その上で、現代に生きる私たちなりの経験に基づき手繰り寄せた感情や作曲家の想いを想像し、演奏していくことではないでしょうか。

その時に最も要となるのは、思慮深くかつ遊び心を併せ持った“想像力”であると思っています。

 

さかいピアノ教室《子供のピアノコース》では、レッスン案内にあるように、小さな子供の時から“想像力”を育てることを大切にしたレッスンを行なっています。

小さな生徒の皆さんと、絵本や楽譜の挿絵を元にたくさんお話しします。

音符やリズムの中に感じた言葉を自由に述べたり、鍵盤遊びを通して自由に表現することなどを随所に散りばめたレッスンを行なっています。

ピアノ演奏者は、磨き抜かれたテクニックと深い“想像力”の両輪がバランスよく兼ね備えられてこそ素敵な演奏ができるのではないでしょうか。

さかいピアノ教室《子供のピアノコース》では、生徒の皆さんがその両輪を習得して将来のピアノ演奏に生かしてくださることを願い、日々のレッスンを行なっています❣️