脱力奏法〜より良い姿勢とゆるめる意識から
ピアノの演奏中に無駄な力みがあることで引き起こされる、身体の様々な箇所の痛みや疲労感。
その力みによって、演奏している時のピアノの音色そのものも美しいものではなくなってしまいます。
最近、多くの生徒さんから脱力についてのご相談を受けたり、脱力についてアドヴァイスする機会が増えています。
先日は、さかいピアノ教室《大人のピアノコース》のSさんのレッスンにおいて、力まずに美しい響きや重厚感のある音色を出すための脱力奏法についてレッスンを行いました。
現在Sさんは、子供の頃のピアノレッスンで演奏したことがあるというベートーヴェンのピアノソナタを再び学び直したいと、当ピアノ教室にて再レッスンしているところです。
ベートーヴェンのピアノソナタは楽式において格調高く、かつ重厚感が大きな魅力です。
どのソナタを演奏するにも、高度な演奏技術が要求されます。
Sさんは『力強い音を出したい!』という思いから、演奏中無意識のうちに肩や腕・手指にぎゅ〜っと力が入ったままの状態に見受けられました。
その日は、和音を打鍵した直後の力の抜き方や、細かいフレーズの演奏方法について丁寧にレッスンを行いました。
様々な打鍵(力んだ状態のまま…、打鍵直後に脱力できた状態…、等)を試してみた時の、響きの大きな違いに…
「全然音が違う❗️」と、驚くSさん😳でした。
長年のピアノ演奏で身に付いてしまった余分な力みは1回のレッスンで簡単に改善できるものではありませんが、根気よく少しずつ改善していけるように、これからもSさんに寄り添っていきたいと思っています。
ピアノを演奏する時は、身体の支えとなる全身の骨や筋肉が複雑に機能し合っている状態です。
簡単にこうすれば良い演奏ができる、と安易な言葉で表現することはできません。
ただ一つ、実感として言い切れることがあります。
それは、まず姿勢を整えることから全てが始まる!ということです。
そして、演奏中の呼吸に意識を向けることもとても大切です。
当ピアノ教室では、より良い演奏ができるよう、小さな子供さんのレッスンから姿勢や身体の使い方をアドヴァイスし、お一人お一人の生徒さんに納得していただけるようきめ細かいレッスンを行っています。
私自身、たくさんの専門書を読んだり、ピアノを弾く方法を自分なりに実験して演奏時のより良い身体の使い方を研究し、最も無理のない理想的な演奏フォームについて思いをめぐらせています。
これからも、姿勢や呼吸など複合的な身体の使い方、腕や手指の使い方のアドヴァイスを行いながら、生徒さんそれぞれのより良いピアノ演奏に繋げていきたいと思っています。
姿勢や脱力奏法について、私が読んで参考になり『読み易い!実践し易い!』と感じた書籍の一部を掲載します。
今後も、良い書籍に巡り会えば追加してご紹介していきます。
・魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本/大橋しん 著
・ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと/トーマス・マーク 著
・ピアニストのためのアレクサンダー・テクニーク/森 朝 著
・目からウロコのピアノ脱力法/馬塲 マサヨ 著
・演奏者のためのはじめてのボディ・マッピング/ナガイカヤノ 著
・演奏者のためのはじめてのアレクサンダー・テクニーク/石井ゆりこ 著
・よくわかるピアニスト呼吸法/加瀬玲子、他 著
・ゼロトレ/石村 友見 著
※最近のレッスンをふまえ、3年前のブログ内容に加筆し、紹介書籍を追加しました。
皆さんの参考になれば嬉しいです😊