まずは腕の重みを有効利用

ピアノ演奏時、演奏者が無意識のうちに神経を集中させているのは指先であることが多いと思います。

鍵盤をミスタッチしない様に、指先に神経を集中させます。それは至極当たり前のことです。

しかし、演奏中には指先以外の心身にも意識を向ける必要があります。

手指の関節や筋肉、手首、腕の関節や筋肉、肩、首、頭、背中、腰、坐骨、両脚、そしてペダルを踏む…。

そして、身体のコンディションを左右する呼吸や音を聴く耳。

さかいピアノ教室(松本市)では、上記のことを理解して演奏中により良い身体の使い方を身につけていただけるような地道なレッスンを心掛けています。

 

Mさん(高校3年生)は、さかいピアノ教室(松本市)にご入会してから2年2ヶ月が経過し、初めてピアノを習っているとは思えないくらいメキメキとピアノ演奏を上達させています。

現在は、発表会の演奏曲の準備の真っ最中です。

譜読みを終えて曲の表現を深めていくレッスンを行なっているところです。

Mさんは、f(フォルテ)、ff(フォルティッシモ)、sf(スフォルツァンド)、等『音を強く響かせる』演奏箇所において、音量や音質を多彩に行うにはどうしたら良いか…苦労している様子です。

『強く音を響かせる』と一言で言っても、強さの違い、音色の違い、音の向きの違い、音の明暗の違い…と、様々な違いを出すことが大切です。

演奏曲の解釈に基づいて、それらの『音の違い』を表現していかなければなりません。

Mさんは指先に神経を使うことに精一杯で、手指や腕が上手く使えていない様子が見て取れました。

そこで、一旦ピアノ演奏から離れて、ピアノ演奏時に身体を効率よく使うにはどうしたら良いかの説明と実践を行いました。

深くゆったり呼吸を繰り返し脱力した身体から、肩の横にある三角筋のみを使って腕を上に持ち上げる動作を数回繰り返します。(身体の前へ、身体の横へそれぞれ数回ずつ)

この時、首の背中側の付け根、僧帽筋に力が入らない様にすることが重要です。

指先ばかりに神経を使い腕の重みをほぼ利用せずに演奏していたMさんですが、上記の動作を行うことで、腕の重みを体感し、その重みを指先に乗せて鍵盤を打鍵することが多彩な音色を作り出す一つの方法であることに気づいてくださった様です。

 

ピアノ演奏者の身体の使い方や呼吸法については、指導者さかい自身、アレクサンダーテクニークのレッスンや多くの脱力奏法に関する書籍を読み進める中で理解を深め実践して来ました。

余談ですが…西欧諸国の音楽大学では、楽器演奏者は演奏することと同じくらいの比重でこのような身体の使い方を座学や実践で学びながら同時並行で演奏を学習していく様です。

日本では、多くの楽器演奏者が身体の故障により演奏ができなくなってしまったり、不調の理由が不明である、ということをよく耳にします。

これは、演奏以前の心身の使い方の理解不足が招いているのかもしれません。

心身の故障や不調に結びついてしまうという事例は極端かもしれませんが、少なくともピアノ演奏時により良い表現に繋げるために心身の使い方を理解することはとても大切なことだと思います。

さかいピアノ教室(松本市)では、ピアノ演奏時の効率良い心身の使い方を自然に身につけていただけるよう折にふれレッスン内でお話ししたり実践を行なっています。

地道なことではありますが、とても大切なことです!

ピアノ演奏を行うすべての皆様が気持ちよく上質な演奏を奏でられることを願って、日々のレッスンを行なっています😊

 


お知らせ

⭐︎会場:埼玉県ふじみ野市 ふじみ野ステラ・イースト(049-261-6678)⭐︎

お近くの皆様、よろしければお運びくださいませ♪

 

https://www.city.fujimino.saitama.jp/soshikiichiran/bunka_sportsshinkoka/bunkashinkogakari/bunka/R5/machinaka/12190.html