大切な気付き

 

さかいピアノ教室(松本市)の生徒さんたちには、機会があれば、学校でのピアノ伴奏を推奨しています。

多くの生徒さんが、音楽会や合唱コンクールで積極的に伴奏経験を積んでくれています。

当ピアノ教室に通うこと8年目のTくんは、小・中学校で機会があればずっと伴奏者として活躍してきました。

しかし、新型コロナウィルス感染症の影響で学校の音楽会や文化祭が中止になり、今年はその機会が無いのか…と残念に思っていました。

ところが先日、久しぶりに嬉しいお知らせがありました。

例年より数ヶ月遅れで中学校の合唱コンクール開催が決定し、Tくんがクラス合唱の伴奏を担当することになったそうです。

 

そして先日、Tくんの伴奏のレッスンを行った時のことです。

Tくん自身は最適な伴奏を心がけているつもりだけれど、クラスメイトからピアノの音量についての指摘があり、より良い伴奏をするにはどうすべきか?悩んでいるとのことでした。

合唱とは声という道具を使い、仲間を思いやり協力し合いながら演奏作品を創り上げていくもの。

その伴奏者は、大きな要です。

仲間の言葉から迷いが生じたTくんですが、ここが腕の見せ所!

ピアノ伴奏者は、ソロ演奏の時とは違う意識を持たなければなりません。

あくまで、『縁の下の力持ち』であるべきです。

一つの作品の中でも立場がどんどん変わっていきます。

前奏、間奏、後奏の演奏、サビの伴奏、女声がメインの時の伴奏、男声がメインの時の伴奏、etc.

一曲の作品の中でも、表現が変われば伴奏の意味付けも変化していきます。

全て同じ音の響かせ方やバランスではいけません。

上記のことを踏まえた細かいレッスンを行い、Tくんは深く納得してくれました。

学校での次の合唱練習では、このレッスンを生かしてより良い伴奏をしてくれることでしょう。

 

伴奏とは、他の演奏者の立場や全体のバランスを常に意識して演奏することです。

相手の立場に立つ思いやりが欠かせないのです。